@nari
米国を代表するコンプライアンス準拠型の予測市場プラットフォーム「Kalshi」が、イリノイ州知事および司法長官を相手取り、連邦地方裁判所に訴訟を提起しました。7月1日に施行予定のイリノイ州の新予算案(SB3019)が、予測市場プラットフォームに対して州のライセンス取得を義務付け、0.2%の取引手数料を課そうとしたことを受け、直ちに差し止めを求めたものです。
Kalshi側の主張の核心は、この法案が連邦商品先物取引委員会(CFTC)の専属的な管轄権を侵害しているという点です。商品取引法(CEA)によれば、予測市場のイベント契約は連邦規制を受ける「スワップ(Swaps)」に該当するため、州政府が独自の規制障壁を設けたり課税したりすることは、連邦法優先原則(Preemption)に抵触し、違憲の可能性が高いという主張です。
今回の訴訟は、今年4月にKalshiがニュージャージー州の規制当局を相手に勝訴した、第3巡回区控訴裁判所の判決先例を背景としています。当時、裁判所は予測市場の契約がCFTCの管轄下にある連邦領域であることを明確に認めました。もし今回のイリノイ州の試みが容認されれば、予測市場プラットフォームは州ごとに異なる規制や税制が適用される断片化のリスクに直面することになります。
Web3およびDeFi業界も、今回の訴訟結果を注視しています。KalshiはWeb2ベースのプラットフォームですが、州単位での個別規制が容認された場合、Polymarketのようなオンチェーン予測市場プロトコルも、米国内のユーザー向けにサービスを提供する過程で同様の州法違反の圧力にさらされる可能性があるからです。連邦政府と州政府の管轄権争いが予測市場エコシステムの流動性に与える影響を、引き続き注視する必要があります。